大阪地方裁判所 昭和42年(わ)1191号 判決 1967年10月13日
一、本店所在地
大阪市南区心斎橋筋二丁目二五番地
名称
光琳商事株式会社
代表者氏名
加藤庄司こと 金命竜
代表者住居
大阪市南区心斎橋筋二丁目二五番地
二、本籍
大韓民国釜山市影島区温仙洞二八一
住居
大阪市南区心斎橋筋二丁目二五番地
職業
光琳商事株式会社代表取締役
氏名
加藤庄司こと 金命竜
年齢
一九〇九年二月九日生
右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は審理の結果つぎのとおり判決する。
検察官 丸尾芳郎 出席
主文
被告会社光琳商事株式会社を罰金二〇〇万円に
被告人金命竜を懲役五月に
それぞれ処する。
被告人金命竜に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告会社光琳商事株式会社は、大阪市南区心斎橋筋二丁目二五番地に本店を置いて洋酒喫茶業を営むもの、被告人金命竜は、光琳商事株式会社の代表取締役としてその業務を統括しているものであるが、被告人金命竜は、被告会社光琳商事株式会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、
第一、被告会社光琳商事株式会社の昭和三九年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、その所得金額が一九、一一六、四四〇円、これに対する法人税額が七、一一四、二三〇円であるのに、公表経理上売上除外をする等の不正の行為により右所得金額中一八、九二八、三〇七円を秘匿したうえ、昭和四〇年三月一日大阪市南区所在の南税務署において同署長に対し右事業年度の所得金額が一八八、一三三円、これに対する法人税額が六二、〇七〇円である旨過少に虚偽した法人税確定申告書を提出し、もつて同年度分の法人税七、〇五二、一六〇円を免れ、
第二、被告会社光琳商事株式会社の昭和四〇年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、その所得金額が一三、一〇〇、六六八円、これに対する法人税額が四、六〇三、九六〇円であるのに、前同様の不正の行為により右所得金額中一〇、四四四、五四九円を秘匿したうえ、昭和四一年二月二八日前示の南税務署において、同署長に対し右事業年度の所得金額が二、六五六、一一九円、これに対する法人税額が、七六九、三九〇円である旨過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出し、よつて同年度分の法人税三、八三四、五七〇円を免れ、
たものである。
(証拠の標目)
一、大蔵事務官溝畑由造作成の証明書二通
一、大蔵事務官松本一郎作成の脱税額計算書二通
一、登記官井上俊雄作成の登記簿謄本
一、金命竜の証明書
一、大蔵事務官高橋正行作成の現金預金有価証券等現在高検査てん末書
一、小泉静子、趙命済、渡辺真の収税官吏に対する各質問てん末書
一、小泉静子、日高君子、須永君江の検察官に対する各供述調書または謄本
一、井後彰生、潮見利雄ほか一名作成の各確認書
一、大蔵事務官藤田隼男ほか一名作成の調査てん末書
一、大蔵事務官滝川晴之佑、同松本一郎各作成の銀行調査事績書
一、大蔵事務官溝畑由造の証明書
一、大蔵事務官松本一郎作成の調査事績報告書
一、押収してある普通預金通帳(第一銀行心斎橋支店)
一、印鑑九(昭和四二年押第六五八号の1、2)
一、被告人金命竜の収税官吏に対する質問てん末書
一、被告人金命竜作成の上申書および供述書
一、被告人金命竜の検察官に対する供述調書または謄本
(法令の適用)
一、被告人金命竜について
判示第一の所為 法人税法(昭和二二年法律二八号)四八条一項(懲役刑を選択)
判示第二の所為 法人税法(昭和四〇年法律三四号)一五九条一項(懲役刑を選択)
併合罪加重 刑法四五条前段、四七条、一〇条(判示第一の事実が犯情重い)
執行猶予 刑法二五条一項
一、被告会社光琳商事株式会社について
判示第一の事実 法人税法(昭和二二年法律二八号)五一条一項、四八条一項
判示第二の事実 法人税法(昭和四〇年法律三四号)一六四条一項、一五九条一項
併合罪加重 刑法四五条前段、四八条二項
(裁判官 児島武雄)